コラム

住宅購入は「更地」か「古家付き」か?

― 土地選びで後悔しないために知っておきたいポイント ―

土地を購入する際によくいただくご相談の一つが、
「更地と古家付き土地、どちらを選ぶべきでしょうか?」というものです。

結論から言えば、どちらが絶対に良い・悪いという話ではありません。
大切なのは、それぞれの特徴を正しく理解し、総額と条件を把握した上で判断できているかという点です。

実は多い「古家付き土地」の売買

現在、市場に流通している土地のうち、体感としても約6割は古家付き土地です。
不動産会社が売主となる場合は、更地にしてから販売されることが多いですが、個人の方が売主の場合は、建物が残ったまま売却されるケースが一般的です。

古家付き土地は価格が抑えられていることも多く、
立地条件によっては非常に魅力的な選択肢になることもあります。

一方で、注意が必要なのが「解体費用」です。

解体費用は建物・敷地条件で大きく変わる

解体費用は一律ではなく、建物の構造や敷地条件によって大きく異なります。

  • 木造住宅:坪あたり約4〜7万円
  • 鉄骨造・RC造:木造の1.5〜2倍程度

また、昭和期の建物ではアスベストが使用されているケースも多く、
事前調査や特別な処理が必要となり、追加費用が発生することもあります。

さらに、

  • 道路が狭く重機が入らない
  • 高低差や変形地である
  • 隣家との距離が近い
  • 電線や電柱が多い

といった条件が重なると、解体費用は想定以上に高くなる可能性があります。

表示価格ではなく「実質価格」で考える

土地購入の際に重要なのは、
表示されている価格だけで判断しないことです。

例えば、古家付き土地が2,000万円であっても、
解体費用に200万円かかるのであれば、
実質的には2,200万円の土地として考える必要があります。

古家付き土地が割安に見える場合でも、
解体費用を含めた総額で見たときに本当に適正なのかを確認することが大切です。

契約前のひと工夫で安心感が変わる

古家付き土地の場合でも、契約前にできる対策はいくつもあります。

  • 解体工事の概算見積もりを事前に取る
  • 「更地渡し」を条件として交渉する
  • 解体費用分を考慮した価格調整を行う

こうした条件整理を行うことで、
古家付き土地であっても安心して検討できるケースは少なくありません。

解体業者選びは価格だけで判断しない

解体工事は必ず複数社から相見積もりを取りましょう。
ただし、最安値だけで決めるのはおすすめできません。

解体工事は近隣対応や安全管理など、非常にデリケートな工事です。
価格だけを重視した結果、トラブルに発展してしまうと、その後の建築計画や近隣関係に影響が出ることもあります。

目安としては、見積もりの「中央値」を基準に、
実績や対応力を含めて総合的に判断することが重要です。

まとめ:選択のポイントは「理解」と「準備」

更地か古家付きかは、単純な優劣ではありません。
重要なのは、解体費用や引渡し条件を含めて、納得した上で選べているかどうかです。

古家付き土地であっても、
事前の確認と適切なサポートがあれば、十分に魅力的な選択肢となります。

土地購入を検討される際は、価格の安さだけで判断せず、
将来を見据えた「トータルの視点」で考えていきましょう。